肯定ファーストペンギンの覚悟

皇帝ファーストペンギン1

コウテイペンギンは、海に潜れば560m以上の深さに27分以上潜水した記録があるほどに、最も深く長く潜れる鳥類らしい。どうしてそれだけ潜れるのかはまだ、誰も解明していない。

海の中は必ずしも安全ではない。天敵のシャチやヒョウアザラシに遭遇すれば命を落とす。けれど、自分が生きるため家族やヒナのために、獲物を捕りに海に飛び込む、覚悟を決めて。リスクを厭わず、果敢に、我先に、海に飛び込むペンギンを見て人は言う。ファーストペンギンと。

ところで、自分を肯定して、同時に相手を肯定することは、実は容易ではない。さまざまな事情や背景、状況がある。それに伴う心の葛藤がある。
自分の心を守るために、相手を否定しなければならない時もある。
相手を傷付けないよう、自分の心に蓋をする時もある。けれど、
いずれも、何かを傷付けることに変わりはない。

係る事態を回避するための方策のひとつは、

自分と相手を同時に肯定する、「二重の肯定ファースト」だ。

自分の心を肯定する、即ち今ここに生きている自分の命を肯定する。
相手の言葉や振る舞い等を肯定する、即ち今そこに生きている相手の存在を肯定する。
そうするんだ、自分の命と相手の存在のあるがままを、認めるんだ。

自分は相手ではないし、相手も自分ではない。もし自分と相手に分け隔てがなければ、認める認めないもないだろう。けれど、相手は物理的にも精神的にも、明らかに自分ではない、他人だ。

また、「相手の存在は認めるが相手の言葉は認められない」と思うことがあるかもしれない。けれど、相手が言葉を発している時点で、その言葉の存在は相手の存在そのものだ。だって相手が存在しなければ、その発する言葉も存在しないから。だから相手の言葉を否定することは、相手の存在を否定することに繋がる。

これは平素からの心の在り方の問題だ。だから、目の前に否定しなければならないような状況の有無は必ずしも関係ないかもしれない。
どんな状況であろうとも、相手の如何に関わらず、先ずは自分が自分を肯定し、相手を肯定すること。その心の在り方。これが肯定「ファースト」の意義だと思うんだ。

もちろん無条件には難しいこともあるだろう。認めがたいこともあるだろう。許せないこともあるだろう。けれど、落とし所を見つけるんだ。
だから、認める覚悟がいる
覚悟を決めて、「落とし所は必ず見つけられる」という前提でいくんだ。

その覚悟を持って、生きていこう。
自分と、大切な存在のためにリスクを顧みず海に飛び込むファーストペンギンのように。

自分を肯定して
相手を肯定して
前へ前へと進む覚悟を。
肯定ファーストペンギンで生きるために。

※写真は映画『皇帝ペンギン ただいま』より